「常識ある優等生」が投資に負けない方法についてお話するシリーズの第6回です。今回はマーケットの「調整」についての話をしたいと思います。

目次

  1. 作戦7:「調整」を知り、恐れない。
  2. マーケットの未来は誰にもわからない。
  3. 調整がない相場はない。
  4. 優等生は調整で打ちひしがれ、玄人は肥やしにする。

作戦7:「調整」を知り、恐れない。

「日経平均株価」は、今年1月に33,000円程度から上昇を続け、3月なかばに41,000円をつけました。しかし、4月に37,000円を割るところまで下落し、現在は2月前半ごろの価格に戻っています。

上がったり下がったりしていますね。

マーケットの未来は誰にもわからない。

いま下落していますが、このまま下落を続けてもとに戻ってしまうのでしょうか?

それは誰にもわかりません。

この投資シリーズでは何度も言ってますが、「市場全体の動きがわかっている人は、誰もいない」。

優等生は「試験問題には必ず正解がある」と信じてここまで来ているので、ハードに勉強すれば市場の未来がわかるようになると誤解しています。
そして、負けるのは勉強が足りないからだと自分を責め、いまさらそんなハードな勉強はできるはずがないと諦め、マーケットから退場していきます。

しかし、投資で勝っている玄人も、どんなに勉強していようが、市場の未来はわかりません。

わかるのは、優等生が一斉に買いに殺到することだけです。

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調整がない相場はない。

例えば、普段は芸能人のスキャンダルが流れているようなワイドショーで投資の解説が始まったり、雑誌で投資の特集があちこちで組まれたり、ネットで投資必勝法を教えると謳う人が激増したりするのは、わかりやすいサインです。

「おお、世の中に投資の情報が溢れ出した」と思ったら、優等生たちは「これぞ正解」「乗り遅れるな」と一斉にマーケットに参入して買いまくります。

その際、忘れてはならないのは、買うときには反対側に必ず売ってくれる人がいるということです(そうでないと買えない)。

この段階では株価は上がります。優等生がこぞってやって来たおかげで、買いたい人が多いからです。

しかし、「われもわれも」とやってきた優等生がひと通り買い終わると、あとは買う人がいなくなります。

すると、価格は需給で決まりますので、株価は下落を始めます。

こうなると、優等生は焦ります。「負け」「損」が怖いので、「やっぱり預金最強!」となり、売りに殺到します。

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売られまくるのでさらに価格は暴落していきますが、このときもなぜ優等生が売ることができるかといえば、反対側に買う人がいるからです。

こうして優等生は高値で買って安値で売り、優等生が殺到するタイミングを読んだ玄人はそれを安値で買います。

このような下落は「マーケットの調整」と呼ばれ、呼吸のようなもの。調整がない相場はありません。

優等生は調整で打ちひしがれ、玄人は肥やしにする。

調整が入ると、その安い価格での購入者は玄人がメインとなります。優等生は心の傷が癒えるまで買うことができません。「もっと下がるのでは?」と恐れるからです。

玄人がガンガン買いまくると、価格は前回のピークを軽く超えたりします(玄人はもともと資金力が違う)。相場がじわじわ上がると、またテレビや雑誌やネットで投資の解説が始まります。そして同じことが繰り返されます。

つまり、優等生は調整で打ちひしがれ、玄人は肥やしにします。

この調整のリズムを体得しましょう。まずは小さい額で優等生たちが売るのを買い取るところから始めます。

逆に、相場が上がっていくときに「乗り遅れた!」と同調する優等生精神を発揮して、焦って参入することを我慢する訓練もしましょう。乗り遅れることは恥ではありません。

もし、SNSなどのネットで「いま買わないのはありえない!」と煽られたら、なるほどこの人たちは玄人(の回し者)だな、頑張ってね、と温かく見守ってあげましょう。