前回、スキルの再構築を迫られている中高年社員には
「リスキリング」
より先に、
「リプライド」(Re:プライド)
が必要だという話をしました。
今回はもう少し深く、中高年にリプライドが必要な理由についてお話したいと思います。
目次
- 中高年社員の“リターン”とは、プライドが満たされること。
- プライドを踏んでしまうと、何も進まない。
- 新たなプライドを得る方法のひとつとして、リスキリングを提示する。
中高年社員の“リターン”とは、プライドが満たされること。
投資に対するリターンがあるかどうか、ということを人は考えます。
この「リターン」とは人によって異なります。
例えば、
「こんなことやっても意味ない」
とよく聞きますが、この「意味ない」を判断するのは、
若い世代の場合は
「タイパが悪いから」
「コスパが悪いから」
となることが多いでしょう。
しかし、おじさん(おばさんも)の文脈での「意味ない」は
「プライドが満たされないから」
です。
プライドを踏んでしまうと、何も進まない。
中高年社員は、プライドが満たされると
「このスキル取得に費やした時間は無駄ではなかった、良い時間だった」
と自分を納得させます。
しかし、プライドが傷つけられると
「このスキル取得に費やした時間は無駄だった、こんなことに時間を使ってバカだった」
となり、時間を使わせた相手に恨みつらみを言い始めます。
リスペクトしてもらえなかったことが
おじさんおばさんのプライドをひどく傷つけるのです。
ドラマ「エルピス」で長澤まさみが言ったように
「おじさんたちのメンツとプライドは地雷」
ですから、プライドを踏んだ以上、リスキリングも何も前に進みません。
新たなプライドを得る方法のひとつとして、リスキリングを提示する。
しかし、前回もお話しましたが、
リスキリングに抵抗して怒る人は見込みがあります。
プライドを大事にする人だからです。
そんな人に、次のプライドを得る方法を提示すれば、しっかりやります。
その次のプライドを得る方法とは
ボランティア活動だったり
趣味を突き詰めることだったり
いろいろな方法があります。
その中で、会社の中でプライドを得る方法のひとつとして
リスキリングを提示し、
そこに納得すれば、ガッツリ取り組みます。
「東大出ているんだぞ!」
「だから会社でも重宝されて出世しているんだぞ!」
というプライドではなく
こちらのスキルを身につけることがカッコいい、
これこそが新たなプライドになるんですよ、と思わせてあげれば良い。
リスキリングの前にリプライド。
経営幹部の皆さんには、ぜひ肝に銘じてほしいです。
これを忘れなければ
中高年社員をDX人材に生まれ変わらせることができるかもしれません。
実はポテンシャルの塊なのです。