人材育成におけるキーワードとして「リスキリング」が注目されています。

具体的には、DX化の流れにアジャストさせるために
社員にデジタル関連の知識や技術を習得させようとうする動きを
指すことが多いようです。

特に、ガラパゴスに取り残された中高年社員は、
このままでは使えない人材になってしまうので、
リスキリングを行う必要性は高いと考えられます。

しかし、そのリスキリングに対して
拒否反応を起こす中高年社員が多いらしい。

なぜ、リスキリングを中高年は受け入れられないのか?
前向きにリスキリングに取り組んでもらうにはどうすれば良いのか?

そんな疑問にお答えしていきたいと思います。

目次

  1. リスキリングに猛反発するのは、怯えているから。
  2. これまで積み上げてきた実績やスキルは通用しない?
  3. 勉強して大学に入り、会社でそこそこ出世したこと。それが中高年社員のプライド。
  4. おじさんたちのプライドは、地雷。
  5. リスキリングの前に、Re:プライド。

リスキリングに猛反発するのは、怯えているから。

さあ、中高年社員の皆さん。

あなたのスキルは、これからのDX社会では通用しません。

だから、リストラを避け、生き残るために、
デジタルスキルを習得しましょう!

との掛け声のもと「リスキリング研修」と銘打った研修は花盛り。
早速、中高年社員に受けてもらおうとしたところ、

ものすごい反発にあってしまって、全然進まない!!!

そう嘆いている教育担当、人事担当の人は珍しくありません。

画像

「リスキリング」で自分のスキルを建て直さないと
この先立ち行かなくなることは明確なのに、どうして?
と、若い教育担当の方は思うかもしれませんね。

なぜ、「リスキリング」というワードに
中高年は怒り出すのか?

それは、怯えているからです。

向き合うことに、怯えているのです。

これまで積み上げてきた実績やスキルは通用しない?

今まで、中高年社員は
未来永劫続く頑強なお城だと信じて、
若いころからコツコツと実績やスキルを積み上げ、
自分の城を作ってきました。

しかし、築き上げてきた実績やスキルは、
これから急スピードで変化していくビジネスシーンでは、
通用しないかもしれない。

そのことに、
一生懸命にお勉強をして、
仕事もそれなりにしてきた中高年社員は
バカではないので、薄々気づいています。

通用しなくなる時期は、
遠くない未来だとわかっているからこそ、
その事実に向き合うことに怯えています。

逆に言うと、
リスキリングに怯えて、怒り出す人たちは、
冷静に周りが見えている、今後に期待が持てる人とも言えます。

画像

勉強して大学に入り、会社でそこそこ出世したこと。
それが中高年社員のプライド。


人は的を得ていることを言うと、怒ります。

ぜんぜんズレている指摘をされると、
それは皆目見当違い!となるので、
怒る気にもならないわけです。
(ウエストランドはネタとして怒りますが)

学力偏重時代を生きてきた中高年社員は、
将来のプライドのために頑張って
大学を目指しました。

ここで勉強すれば、将来のプライドに役立つ。
頑強な城を築けるようになる。

そう思って、頑張ってきたのです。

そして、会社に入れば、
大卒の学歴を活かし、
仕事をして実績とスキルを築き上げていけば
そこそこ出世することができました。

これが中高年のプライドです。
至極まっとうですよね。何ら非難されることではないのです。

画像

おじさんたちのプライドは、地雷。


でも、ご存知の通り、
今の時代はそんなプライドに支えられたスキルが
役に立たない時代は、すごそこまで迫っています。

しかし、そのスキルを全否定し
プライドを踏みにじったところで
中高年は反発するだけです。

ドラマ「エルピス」でも、長澤まさみが言ってました。

「おじさんたちのメンツとプライドは地雷」

その通りです(おばさんもそうですね)。

あなたが頑張って築き上げてきたお城は、
もうすぐ役に立たなくなりますよ。

そんな的を得たことを言って
プライドを崩壊させようとすると
中高年社員は怒ります。

そりゃあ、怒るのも当然ですよね。
だって、今まで正しいとされて
信じて頑張ってきたことを急に否定されたら怒ります。

リスキリングの前に、Re:プライド。

でも、実は、激怒している人こそ、見込みがあります。

プライドのために頑張ってきた人だからです。

難関大を出て、
会社でそこそこ出世してきた、というプライドを
焼き直してあげればよいのです。

つまり、

リスキリングの前に、
リプライド。

Re:pride、です。

これが中高年社員には必要です。

プライドのために頑張るのは得意な世代ですから。

リスキリングに抵抗して怒る中高年社員は、
実はポテンシャルの塊なのです。