最近、経営陣や管理職の方々から「時短やDXなど業務改革をやろうとしても、従業員が動いてくれない。ベテランだけでなく、若い世代も変化を嫌うから困る」というような話をよく聞きます。
従業員が動いてくれない(特に若い世代)。
だから改革が進まない。
そう嘆く経営陣や管理職は多いですが、なぜ若い人が動かないのでしょうか?
今回は「なぜ若い人が付いてきてくれないのか」論についてお話します。
目次
- 組織の中を変えるのではなく、違う組織に移る。
- 乗客は従業員、新幹線は組織。
- 幹部世代の言うことは、誰も聞いていない。
- 先輩として後輩の若い世代に示せること。
組織の中を変えるのではなく、違う組織に移る。
まず、管理職が肝に銘じておきたいのは
組織を変えよう!と言う人に付いてくる人はいない
ということです。
昔は「組織を変えよう」に付いてくる人はいました。
なぜなら終身雇用が当たり前だったので、組織を変えないと給料も体制も居心地も変わらないからです。
しかし、今は「組織にいる意義を見いだせなくなったら、違う組織に移れば良い」という考え方に変わっています。
乗客は従業員、新幹線は組織。
例えば、東京に住んでいると、京都には新幹線で行きます。
新幹線で行くのは、新幹線が大好き!ではなく、新幹線に乗れば2時間半くらいで京都に着けるからです。移動手段として優秀だから。
しかし、京都に向かう途中で落雷か何かで新幹線が止まったとします。
そのとき、車掌が「止まってしまいましたが、新幹線を居心地良くするために協力してください!」と言ったところで(゚Д゚)ハァ?ですよね。
乗客としては、何言ってるんだ、いま乗っている新幹線を何とかするよりも、早く電車なりバスなり、他の代替手段を持ってこい!となります。
この乗客と従業員は同じです。
新幹線は組織です。
新幹線は移動の手段でしかないので、新幹線自体を良くしよう、変えてやろう、なんて気持ちはサラサラ起きません。
昔は、新幹線自体に価値がありました。
新幹線に乗ることが特別で自慢できる時代があったように、大企業に勤めていること自体に価値があった時代が確かにありました。
しかし今、もし止まってしまったら、さっさと他の手段に切り替えます。
組織もダメだと判断した時点で、さっさと他の組織に切り替えます。
新幹線という組織を良くしようと言う人に、誰も付いていくわけがありません。
幹部世代の言うことは、誰も聞いていない。
若い世代は、組織幹部世代の方々をロールモデルだとは思っていません。
軽蔑しているわけではありません。
個々の技術や知識は「すごいなあ」と感心していても、それが将来自分にとって何になるのか、懐疑的です。
というのも、今の時代は、この先は本当にどうなるかわからない。
経済も、政治も、環境も、これまでの秩序が崩壊しています。
昔の弱肉強食の悲惨な時代に戻るのではないか、北斗の拳みたいな世界が現実になる可能性すらある、という不安を持っています。
そんな今、組織幹部の方々が「組織の中期的目標を立てました。これからここを目標に頑張っていきます。みんな付いてきてください!」と叫んだところで、誰も聞いていません。
混沌とした時代の今、自分が働いている組織幹部の方々が、目指すべき正解がわかっているなんて奇跡は起こるわけがない、と思っているからです。
昔ながらの正解がわかっているフリをしているリーダーを演じていて痛いな、と思われているだけです。
俺は正解をわかっていると見栄を張っている姿は痛くて見ている方がツラいので、やめましょう。
先輩として後輩の若い世代に示せること。
では、社会の先輩である幹部の方々が後輩の若い世代に示せることはなにもないのか?
そんなことはありません。
このような混沌とした時代だからこそ、見せるべき姿があります。
それは、「自分と自分の家族がこんな時代をサバイバルするために、毎日必死で頑張って生き延びようとしている姿」です。
長くなりましたので、詳しくは次回!