前回、
「リスキリングの前にリプライド(Re:プライド)」が必要だとお話しました。

中高年社員のプライドを踏んでしまうと、

リスキリングを進めたい。
会社をDXで変えたい。

そんな話がちっとも前に進みません。

それどころか、もっと重大な、会社に大損害を与えてしまうこともあるかもしれません。

今回は、そんな「プライドを踏んだらどうなるか」について、ちょっと怖いお話をしたいと思います。

目次

  1. 現代の組織的犯罪は、「データドリブン犯罪」である。
  2. データを流出させれば、企業を簡単に破壊することができる。
  3. 中高年のプライドを踏むと、「不正のトライアングル」をクリアしてしまう。

現代の組織的犯罪は、「データドリブン犯罪」である。

ビジネスとは少し離れますが、
現代の組織的犯罪集団は、
データを駆使した「データドリブン犯罪」に手を染めています。

少し前のNHKクローズアップ現代でも特集されていましたが
最近はお金持ちの高齢者を狙った強盗が増えています。

なぜ、ピンポイントで
自宅に金目のモノを貯め込み、
しかもゆるゆるのセキュリティのお金持ちの家を狙えるのか?

それは、犯罪集団が個人情報を買っているから。

簡単に名簿を闇業者から手に入れることができます。
その名簿は、
出身校や居住地、勤務先はもちろん、
金融機関の大口預金者、
カード決済の高額決済者、
高級住宅街の町内会名簿、
などなど、よりどりみどり。

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これらのデータを合わせていくと、
犯罪集団にとっておいしいターゲットが浮かび上がる
わけです。

強盗事件が増えている背景は、
「オレオレ詐欺」などの特殊詐欺の対策が取られるようになり、
簡単に大金をせしめることができなくなったので、
よりハイリスクの強盗にシフトしているとのこと。

ハイリスクだからこそ、
狙いを外すことがないように、
データを駆使して
できる限りローリスクハイリターンの獲物を見つけているんですね。

データを流出させれば、企業を簡単に破壊することができる。

そもそも、なぜこんなことができるかというと、
データを売る人がいるからです。

クローズアップ現代でも取り上げられていましたが、
会社員や公務員から名簿業者に、
顧客情報リストなどのデータ流出が止まらないとのこと。

これらの情報を売れば、お金になることは、もうみんな知っています。
個人情報は価値がある。

そんな大切な個人情報が流出したことが世に露見すれば、
企業は大バッシングを受けます。

ビジネスに多大なる影響が出て、
大損害につながってしまう。

つまり、こうしたデータを流出させれば、
簡単に企業を破壊することができる
のです。
これぞ、まさにテロ。

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中高年のプライドを踏むと、「不正のトライアングル」をクリアしてしまう。

前回までに「中高年社員のプライドを踏んだら駄目」との話をしてきましたが、
その理由は会社の変革やリスキリングが進まなくなるだけではなく、

会社を破壊に追い込む可能性もある。

ことを、重々承知しておかなくてはなりません。

会社でプライドをズタズタにされてしまった人は、
“無敵の人”(byひろゆき)になります。

会社内でもう何も失うものがない人です。

“無敵の人”が人や社会に大ダメージを与えるように、
プライドを踏まれた人は
会社に大ダメージを与えるいろいろなテロが実行可能です。

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人が不正をする仕組みをモデル化したものに、
「不正のトライアングル」があります。

1.機会
2.動機
3.正当化

そして、
このトライアングルが揃い、
目の前に“対象”があると、不正をはたらく要素をクリアします。


プライドを踏みにじられ、社内で「無敵の人」になった中高年社員は、
これらをクリアしてしまいます。

特に「正当化」が与えられるのが危険です。
不正を自分の中で「正当化」することで、あっさりとテロを起こします。

長くなってしまいましたので、続きは次回に。
次回は、プライドをズタボロにされた中高年社員は、
どのように不正を「正当化」してしまうのか?について、詳しく解説します!